回旋筋腱板(インナーマッスル)トレーニング再考

野球に限らずオーバーヘッドスポーツで欠かせないトレーニングといえば、肩甲骨の安定性および可動性と回旋筋腱板(以下インナーマッスル)ではないでしょうか。


最近本を読んだり調べたりするうちにちょっとインナーマッスルのトレーニング見直した方がいいかなと思いましたのでまとめてみました。


インナーマッスルを簡単にまとめます。

棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋の4つの筋肉で構成されています。役割としては「関節の安定性」です。特に肩関節の大きな可動域を実現させるためには、安定性が重要です。そのため肩関節は、関節唇や関節包、靱帯だけでなく先程あげた4つの筋肉で安定性を担保しています。



もう1つインナーマッスルを理解するために重要なのは筋肉の形態です。



・紡錘状筋(平行筋):収縮速度は速いが発揮できる力は小さい

ex 上腕二頭筋など

・羽状筋:収縮速度は遅いが発揮できる力が大きい

ex 上腕三頭筋など



で、インナーマッスルはどちらかというと、、、



羽状筋です。


広い可動域を実現するだけの安定性が必要なので、収縮速度を犠牲にしてでも固定する大きな力を発揮してくれる羽状筋がぴったりです。特に肩甲下筋は多羽状筋です。頼もしいですねー。



で、ここからが本題ですが、


インナーマッスルのトレーニングする時だいたい低重量高回数ではないですか?


軽い重さで(もしくはチューブ)20〜30回くらいで指示されませんか。もちろんリハビリや、ウォーミングアップとして刺激を入れる目的であれば低重量高回数から始めるべきでしょう。ただ筋力アップを目的としたトレーニングとしてはどうなのでしょうか。



一般的に同じ羽状筋である上腕三頭筋や腓腹筋などの筋肥大トレーニングは高重量低回数の方が反応がいいと言われています。ではなぜインナーマッスルの羽状筋に対してだけは低重量高回数なのだ…。


ちなみに私自身も基本は低重量高回数で週1、2くらいで少し高重量低回数を指示していました。



というように筋肉の形状や使用用途から考えるとトレーニングの仕方を見直した方がいいのかなと思いました。


もちろんトレーニングの目的が筋肥大だけではないので一様に高重量低回数が良いという訳ではないです。リハビリのように目的に合わせたトレーニングプログラムが必要だと思います。


ただ海外のオーバーヘッドスポーツの選手はキューバンプレスなど結構な重量を扱ってトレーニングしているところをみると発揮する力(パワー)や耐久性というところにフォーカスしているのかもしれません。

【参考文献】

皆川 洋至 ほか:腱板を構成する筋の筋内腱 -筋外腱移行形態について-

大山下圭吾:アスリートのための解剖学

MAYAMAカイロプラクティック

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