陸上競技の肉ばなれ

青森では雪解けも始まりいよいよスポーツシーズン到来です。この時期多くなる怪我といえば「肉ばなれ」。外での練習が始まり急激な練習量増加によるものではないでしょうか。

競技特異性により肉ばなれの部位も傾向があるようです。


陸上競技の肉ばなれ

■ハムストリング、特に大腿二頭筋長頭(中央部〜遠位部)が好発部位


■どの年代においても肉ばなれが多く発生している

全中27.0%(中学生)

インターハイ26.4%(高学生)

インカレ29.9%(大学生)


■発生部位は性別、年代問わずもも裏であるハムストリングに好発.女性は前ももである大腿四頭筋の割合も高い(大腿四頭筋の筋力に関係していると考えられている)

男性:全中38.7%、インターハイ49.3%、インカレ77.5%

女性:全中35.4%、インターハイ41.7%、インカレ63.0%


■スポーツ科学センターメディカルセンターで診断された陸上選手の肉ばなれのうち62.8%がハムストリングでありそのうち大腿二頭筋長頭は7割以上と報告されている


■大腿二頭筋は長頭と短頭からなり、長頭である羽状筋は力学的に有利な構造を持つ反面より多くの負荷にさらされると考えられる(短頭は紡錘状筋)


■好発する局面

加速のプッシュ主体から中間疾走のスイング主体の動作に切り替わる局面

バトンパス渡す局面

フィニッシュで上体を前強く前屈させる局面

曲走路と直走路の切り替えの曲面


■筋肉の柔軟性や筋力バランス強化を組み込むことに明確なエビデンスはないものの、受傷起点に関連するエキセントリックな負荷の耐用を高めるノルディックハムストリングなどが有効ではないかとされている


■アスレティックリハビリテーションは早期より柔軟性や筋力強化、協調性、ランニング動作の獲得が必要とされているが、筋の出力や負荷を上げるタイミングを見極めるため臨床所見、画像所見と組み合わせることが重要


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個人的に選手には「痛み」と「損傷の大小」は必ずも同じではないということを知っておいてほしいところ。痛みがなくなったからといって損傷部位が完全回復したわけではない。必ず整形外科を受診し画像所見を確認しながら復帰に向けてリハビリしていきましょう。


競技は違いますが同じスプリント系のアスレティックリハビリテーション

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